2.コストについて

「今ここでハンコを押して頂ければ、300万円値引きします。」とは、ある大手ハウスメーカーの営業マンの言葉です。
これは私が設計監理の依頼を受けた方(施主)から聞いた話ですが、ハウスメーカーとの設計打合せが少し進んだ段階で、上記の様なことを言われたので、そのハウスメーカーが不安になり、嫌気がさして契約のハンコを押さずに取りやめたそうです。

また、「この付近ではまだ実績がないので、当社の宣伝として建てさせて頂ければ、大幅値引きの特別価格で新築できます。」とか「新規営業所の第一号ですので特別価格でご奉仕させて頂きます。」等のハウスメーカーの営業マンの言葉は常套手段です。こういう言葉は、社員研修できちんと教え込まれていますので要注意です。

坪単価について

「坪45万円で出来ます。」などとはよく聞く言葉ですが、これは極めて信用できない言葉です。仕様が全然違うのに坪単価で比較するのはナンセンスです。例えば、飛行機に乗るのにファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの違いを考慮せず、航空運賃が高い安いと比較するようなものです。
また、坪の範囲が曖昧で、一般的には専有面積(実際に生活出来る屋内空間)を意味しますが、業者によっては施工面積(バルコニーやピロティ、半屋外駐車場まで含む)で坪単価を計算しますので、同じ建物でも坪単価が5〜10万違うので要注意です。

さらに、本来本工事に含まれるべき項目が別途工事になっているのには要注意です。

現在の社会はメガバトル時代すなわち大競争時代であると言われています。ますます激化する様相を示しています。どんな職業でも例外は無いようです。この建設業界は特にきびしいと言われています。こんな状況から判断すると住宅を建てるには、仕上・仕様の基準である設計図面を作り、各工務店、建設会社に相見積をしてもらって価格競争して適正価格になるようコストダウンを図るのがまず一番であると考えられます。ダンピングのしすぎは手抜き工事につながりますので、設計監理者がしっかり適正価格になるようコストコントロールを行うことが当然重要になってきます。

 

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