3.コンクリート打設前の水たまりに要注意!

 ある知人の新築住宅の現場に施工監修という立場で基礎コンクリート打設に立ち会って欲しいと依頼がありましたので朝一番に出かけてみると、昨晩に降った雨がいたるところにたまっていました。驚いたことに作業員達はいたる所に水たまりがあるのにもかかわらず、のんびり腰掛けて座っていました。幸いまだコンクリート車が到着していなかったので、現場監督に早急に水を抜くよう指示したところ、下請業者が水抜き用掃除機を忘れたとの回答だったので、雑巾やスポンジで吸い取ってバケツに入れてくみ出すよう催促しました。コーヒーの空き缶でくみ出すスローペースな様子をもう見てられないので、私も中に入り油まみれになりながら水くみをしました。


水抜き用掃除機(乾湿両用掃除機)(色々な機種があります) たまった雨水をバケツにくみ出しているところです。
バケツに8杯くらいの水を搬出しました。まだ、水たまりは少し残っており、水抜き用掃除機が無ければ100%吸出しは不可能でありました。 コンクリートミキサー車からコンクリートを取り出して各種試験をおこなっが、雨水の入った基礎コンクリートと品質が違うので、よい試験結果が出ても全く意味がありません。


今回の問題は、基礎コンクリート施工業者及び建設会社が雨水がたまっている状態でも何のためらいも無くそのままコンクリートを打設しようとした点です。現場でコンクリートに加水されると、圧縮強度の低下、乾燥収縮の増大、豆板などの欠陥をまねきます。本当に人間の質を問われます。自分の家でもこんなことをするのでしょうか?この建設会社の社長が後日平謝りしましたが、謝ってもらっても後の祭りです。

コンクリート打設日が晴れていても、前日に雨が降っていたなら、水抜き用掃除機を準備するよう建設会社や現場担当者或いは、設計監理者に事前に連絡することが重要です。


この建設会社は見かけは、すばらしいホームページで仕事をたくさん受注されているようです。
何も知らない建築主が大変気の毒な気がします。(他にも基礎配筋でも手直し等も多々あったので)そして自社の設計施工にもかかわらず、監理者が現場に立ち会わず、若い現場監督を配置させ、下請け業者にも強く指導できない状況でした。


施工監修について
建設会社や工務店の設計施工で家を建てたいのだが、プランにもう一工夫欲しいので、基本設計だけお願いしたいとか、現場が少し心配なので、ポイント的に問題がないかどうかチェックして欲しいといった建築主の立場にたった業務も承ります。
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